カンタブリア州
カンタブリア州南部バルデレディブレ(Valderredible)地方、カスティージャ・イ・レオン州との州境付近には、エブロ川に沿って洞窟教会が点在しています。これらの教会は、8世紀はじめのイスラム教勢力によるイベリア半島征服後、レコンキスタが進みこの地方がキリスト教勢力により再植民される過程で建設されていったものと考えられています。ただし、初期キリスト教で生まれた隠者たちが活動していた洞窟はそれ以前からも存在し、6世紀から7世紀、西ゴート時代にはすでに洞窟教会が建設されていたという説もあります。
今回は、パレンシアからサンタンデールにむかうN611をアギラール・デ・カンポー(Aguilar de Campoo)の少し先、キンタニージャ・デ・ラス・トーレス(Quintanilla de las Torres)から東に外れてCA273をブルゴス方面へと進み、エブロ川沿いに点在する洞窟教会を紹介します。いずれも、7世紀から10世紀に建設された洞窟教会です。
サンタ・マリア・デ・バルベルデ洞窟教会
外から見ると、まるで鐘楼(12世紀以降)だけが建っているかのようですが、その下に、大きな洞窟教会が隠れています。内部は非常に広く、円柱が支えるアーチにより2廊に分かれています。おそらく、広い廊が最初に建設され、中世を通じて狭い第2廊に拡大されていったものと考えられます。あるいは、もとは洗礼所をアプスとするごく小さな教会だったものが、現在の祭壇の方向へと拡大していったとの説もあります。


教会の外には中世初期の墓地の跡も遺っています。


現在も礼拝が行われおり、内部の見学もできます(月曜日休館―2002年)。
岩を掘って造った教会、岩を削っただけの階段などなど、こうしたプリミティブな建造物に惹かれてしまうのは、子どもの頃の秘密基地願望につながるものがあるのでしょうか。見学するのも楽しいし、往時の姿を想像するのも楽しいです。
おすすめルート
アギラール・デ・カンポー*(Aguilar de Campoo)→13km→サンタ・マリア・デ・バルベルデ洞窟教会(Iglesia rupestre de Santa Maria de Valberde)→29km→カダルソ/カルメンの聖母洞窟教会(Iglesia rupestre de la Virgen de Carmen)→3km→アロジュエロ/サン・アシスクロ・イ・サンタ・ビクトリア洞窟教会(Ermita rupestre de San Acisclo y Santa Victoria)→10km→オルバネハ・デ・カスティージョ**(Orbaneja de Castillo)→66km→ブルゴス(Burgos)
*パレンシアからアギラール・デ・カンポー周辺にも、洞窟教会がいくつもあります。中でもオジェロス・デ・ピスエルガ(Olleros de Pisuerga)のサントス・フスト・イ・パストール洞窟教会(Ermita rupestre de Santos Justo y Pastor)は最大級。また別の機会に。
**オルバネハ・デ・カスティージョは、湧き水が織りなす美しい景観で人気の観光スポット。さらに、オルバネハから北東に車で約1時間の場所に、オホ・グアレーニャという鍾乳洞があります。長い年月をかけてグアレーニャ川による浸食によりできた洞窟には、洞窟壁画、埋葬の跡、穀物貯蔵の跡などがあり、先史時代から人々が様々に利用してきたことがわかります。そして、ここにも洞窟教会があるのです。自然の洞窟を利用したサン・ベルナベ教会(Ermita de San Bernabe)は、8世紀から9世紀に建設されたもの。洞窟教会の天井には一面に聖ティルソを生涯を表す壁画が描かれています。(見学可能。オルバネハ・デ・カスティージョから52km/1時間弱、ブルゴスから92km/約1時間半)


WEB
- Arteguias(Romanico, prerromanico)《Ruta de las iglesias rupestres del Alto Ebro y Montaña Palentina (Palencia, Burgos y Cantabria)》
- Trotaburgos《IGLESIAS RUPESTRES EN EL VALLE DE VALDERREDIBLE》










































