カスティージャ・イ・レオン州サモラ県
サモラ県北部ルビアンという村に、昔ながらの狼の罠があるということで、見に行ってきました。
ガリシアとの州境まで8km、ポルトガル国境まで18kmの場所にあるルビアンは、山深い地形も相まって、カスティージャよりもガリシアとの行き来が盛んだったようです。コルテージョ・ドス・ロボスもガリシア語。コルテージョ(Cortello)は、カスティーリャ語の”Corral”。つまり「獣を追い込む柵囲い」という意味。Lobosはオオカミです。

この辺りは昔からオオカミの生息地であり、現在もたびたび家畜が被害にあっています。しかし、この建造物がいつ造られたのかは、まったく記録がないため、わからないとのこと。おそらく何世紀も前に造られたものと推測されてはいますが…。近年修復され、現在の姿になりました。
オオカミを生け捕りにするために造られた「コルテージョ」は、急勾配の山の斜面に建設された円形の建築物です。壁は黒いスレート材を積み重ねて造ってあり、屋根はありません。入口は1つだけ。壁の高さは3メートルほどで、直径約30m。斜面の下のほうにあたる部分は外からも壁が見えますが、斜面の上にあたる部分の壁は半分が地面に埋まり、斜面の上の方から見ると地面にぽっかりと穴があいた感じです。

中央の現在は木が茂っている場所に、ヤギや羊などオオカミの餌になりそうな動物を繋いでおき、オオカミが獲物につられて穴に飛び込んでしまうと、もう出ることはできません。壁に高さがあることはもちろんですが、上部の石が内側にせり出すように重ねられているため、よじ登ることは不可能です。


罠にかかったオオカミは、すぐに捕らえられたことに気づき逃げようと躍起になるため、囮となった家畜を食べることはあまりなかったとか。家畜が食べられてしまった場合は、家畜の提供者に村が弁償したのだそうです。オオカミが罠にかかったことがわかると、若い男性がコルテージョに入ってオオカミを捕まえ、金属製の口輪をつけて村まで連れて行きました。その間、村人たちはオオカミに向かって悪態をついたりしながら、行列に参加していました。
カスティージャ北部からポルトガル北部、ガリシア、アストゥリアスやカンタブリアにかけて、様々な形のオオカミ罠が遺っています。呼び名はいろいろ。ルビアンから北に車で約30分の位置にあるバルハコバ(Barjacoba)にも、ルビアンとよく似たオオカミ罠があるそうです。こちらは”Corro dos lobos”と呼ばれます。
WEB
- O corro dos lobos de Barjacoba
- El Cortello dos lobos de Lubián Juan Carlos Cabrero Figueiro (revista de la Asociación Cultural “Monte Irago”, ISSN 1575-801X, Año 5, Nº. 11, 2003)
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